注文住宅を建てる時、ほとんどの方は住宅ローンを使うと思います。
昨今は物価高の影響もあり、住宅価格は上がる一方です。住宅ローンを限度額いっぱいまで借りたり、ペアローンを利用する方も多いと思います。
そこで注意したいのが、タイトルにもある通り、フルローンであれば頭金(現金)はなくても家を建てられると誤解してしまうことです。

フルローンって名前の通り「注文住宅を建てる時にかかる費用を全部ローンで賄う」って意味でしょ?
自分たちはお金を払わなくてもいいんじゃないの?
私も勘違いしていたのですが、実際に手続きをしていて感じたのは、「意外と自分たちで払わないといけないお金多くない?」ということでした。
結論から言うと、フルローン(物件価格+建築費の100%融資)を組んでも現金が完全ゼロで済まないのは、「ローンに組み込めない費用」や「融資が実行されるタイミングのズレ」があるためです。
主に4つの理由で支払いが発生するため、1つずつ解説していきます。
契約時に支払う「手付金(着手金)」があるため
内容: 土地の売買契約や、ハウスメーカーとの建築請負契約を交わす際、契約成立の証として現金で支払うお金です。
理由: この段階ではまだ住宅ローンが実行(送金)されていないため、手元にある現金で支払う必要があります(※最終的に物件代金の一部に充当されます)。
何か大きな契約をする場合、手付金というものを支払わなければなりません。
土地から購入して注文住宅を建てる場合は、「土地を購入します」「このハウスメーカーで建てます」という最終の意思決定の際に支払いが発生します。
しかもそれなりの額を用意する必要があり、それぞれ100万程度は見積もっておかなければなりません。

えーっ!?
100万円!? 高くても数十万くらいかと思ってたよ・・・
急に用意してって言われても大変だよね・・・

確かに大変かもしれんが、そのくらいの貯えがある家庭でないと家を建てるのはちと厳しいかもしれんの
確かにオウルさんの言うことも一理あるのですが、ここで重要なのは現金で必要ということです。
注文住宅を検討しているご家庭はNISAなどを活用して資産形成をしている方も多いでしょう。
その投資比率があまりにも投資側に傾きすぎていると、「長期運用を考えていた株を利確しなければならない」みたいな状況に陥ってしまうかもしれません。
投資比率・防衛資金の額には十分気を付けましょう。
ローン対象外になりやすい「諸費用・現金特有の出費」があるため
内容: 印紙代、土地の地鎮祭・上棟式の費用、引っ越し費用、家具家電の購入費用など。
理由: 住宅ローン(または諸費用ローン)に組み込める費用は金融機関によって定められており、上記のような細かな出費や生活準備費はローン対象外になることがほとんどだからです。
先ほどの手付金程ではないですが、数万円程度の費用が要所要所で発生します。
引っ越し費用や家具家電の購入費用は人によって異なると思いますが、数十万~100万前後程度は見積もっておいた方が良いでしょう。
こういった細々したものはローンに組み込まれないというのは何となく感覚的なところで分かるような気もしますが、意外と見落としがちな費用です。
手付金と合わせて考えるとじわじわ効いてきます・・・
ちなみに印紙代というのは、いわゆる切手のことです。ただし数十円の切手ではなく1万円する切手です。重要な契約書にサインする際に必要になります。郵便局の窓口で購入可能です。

数万円程度か・・・と思ったけど、全部合計するとこれも100万円近く必要になりそうだね

全て計画に組み込んで、できるだけ早いうちから備えておくのが重要じゃな!
住宅ローンは「完成後(引き渡し時)」にまとめて実行されるため
内容: 注文住宅の場合、着工金や中間金(上棟時)など、建物が完成する前に複数回の支払いが発生します。
理由: 原則として住宅ローンは「完成した家」を担保にするため、引き渡し時まで一括で融資されません。
- ※つなぎ融資や分割融資を利用する場合でも、その事務手数料や金利分などの自己資金が一部必要になります。
ここが非常にややこしいです。私も実際に契約を進めていた時にとても驚きました。
大前提として、住宅を建てる時に支払いが発生するタイミングが3つあります。
それが、家をこれから建て始めますというタイミングで発生する着工金、その2~3カ月後に発生する中間金、そして完成後の残金清算。
土地購入も含める場合は着工金の支払い前に土地代金の支払いもあります。

ちょっと待ってよ!
土地の購入も含めたら4回も分割して支払いが発生するってこと?
でも住宅ローンの審査がちゃんと通っていればあとは銀行が手続きしてくれるんだよね?
ヒヨコくんがこう思うのも無理ありません。私もそう思っていました。
しかし、原則として銀行がお金を貸し出してくれるのは、最終的に全ての金額が確定した最後のタイミングなのです。なのに支払いを要求されるのは3~4回のタイミングに分かれているのです。
「じゃあ着工金や中間金は支払額が少ないんじゃないの?」こう思いますよね?
しかし、着工金も中間金も相場としては住宅価格の30%ほどです。

30%・・・って
家が5000万円だとしたら1500万円もするよ!?
そんな金額用意できないよ! 全然フルローンじゃないじゃん!
その通り、用意できないんです。そこで出てくるのがつなぎ融資や分割融資というものなんです。
この融資についての解説はこちらの記事で詳しく解説しています。
今回は、この状況を解決する手段がつなぎ融資や分割融資であるとだけ認識してください。
住宅ローンの支払いの仕組みは非常に複雑で、最終的に物が出来上がった状態でお金が融資されます。
なので、家を建てるのに5000万円かかったら5000万円分のお金を(審査が通ていれば)融資してくれます。しかし、それでは着工金や中間金は支払えないので、別途つなぎ融資や分割融資の手続きをしてお金を借ります。
つまり、つなぎ融資や分割融資で借りたお金は、最終的に融資される住宅ローンで返済するのです。

頭が混乱する・・・
つまりどういうこと?

確かにちと難しいのお
簡単に言ってしまうと、「借金を借金で返す」ということじゃな
これは本当に難しいです。オウルさんの言う通り、「借金を借金で返す」というのが住宅ローンを利用した家の建て方、お金の動きなのです。
ここでようやく本題に戻るのですが、つなぎ融資や分割融資にも当然のように事務手数料や金利がかかってきます。これらは自分たちで支払う必要があるため、やはり数十万程度は見積もっておくとよいでしょう。
この支払金額は家を建てるまでの期間によっても金額が異なってくるため、工期の期間や金額については念入りに確認してください。
住宅ローンの審査・融資上限に引っかかる場合があるため
内容: 年収に対する返済比率や借入限度額の兼ね合い。
理由: 「フルローンで借りたい」と希望しても、審査結果によっては「総額の9割までしか貸せない」と満額融資が出ないケースがあります。その場合は不足分を現金で補う必要があります。
これはイメージしやすいと思いますが、住宅ローン審査の結果、住宅価格を全て賄える金額の融資を受けられない場合はもちろんあります。足らなければ足す。不足分は自分たちで補う必要があります。
注文住宅の話の進行順的に住宅ローンの審査が終わってからおおよその住宅価格が定まってくるため、想定していなかった出費が増えるという感覚にはならないと思いますが、初めに把握しておくべき費用ではあります。
また、住宅ローン金利は頭金を入れると下げられるのが一般的です。金利を下げるために必要な額は住宅価格の10~20%程度と言われているため、少ない額ではありません。
もし金利を下げることを目指すのであれば、厚めに現金を持っておく必要があるため注意が必要です。

自分たちの貯金がどのくらいで、将来的にどんな暮らしをしていくのか、どこにお金をかけていくのか・・・
しっかりと見つめなおして、考えて、余力のある額を現金として用意しておくことが重要じゃな!

「家を建てる」「住宅ローンを組む」って大変だし難しいんだね・・・
【フルローン=自己資金なしでOK】ではないことが良くわかったよ!
僕もしっかり考えなきゃ!
結び
ヒヨコくんの言う通り、【フルローン=自己資金なしでOK】ではありません。
あくまでもフルローンというのは、【土地・建物の本体代金を100%ローンにできる】という意味なのです。
契約時の手付金や引っ越し費用など、少なくとも総予算の5〜10%程度は現金を用意しておいた方が良いでしょう。
家を建てた直後などはマイホームハイで出費がかさむこともあります。また、当然家を建てたら終わりではなく、生活は普段通り続いていくのです。
それを考えたら現金は持ちすぎと思うくらいに持っておいても良いかもしれませんね。




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